インタビュー

株式会社世界貿易センター
ビルディング
WORLD TRADE CENTER BUILDING,INC.

2007年、JR大崎駅に直結して建設された30階建てのオフィスビル「ThinkPark Tower」。ビル周囲の敷地45%を緑化して「ThinkPark Forest」とし、都会とは思えない緑の森が作られました。野沢園ではその一部の造園施工と全体の管理を行っています。今回は管理を依頼していただいている株式会社世界貿易センタービルディングの飯尾さんと山田さんに、野沢園の植栽管理についてお話しを伺いました。

風の道を作りヒートアイランド現象を抑制する
「ThinkPark Forest」

大崎ThinkPark内にある「ThinkPark Forest」は、地域の人と自然の関係を再生することが目的とされている緑地帯です。ここは「風の道」と呼ばれ、東京湾の涼しい海風が目黒川を通じて町全体に流れていき、クールスポットを形成するように設計されています。その自然の力を利用することで、ヒートアイランド現象緩和に貢献しています。実際ビル施工後の夏には2℃ほど気温が低下しているのが確認できました。施工から16年たち樹木が育った今はもっと効果があるかもしれません。250本の高木、1万2000株の低木を植えて作られた森が、周辺の環境に貢献できていることは嬉しいです。この森やビル全体の緑は野沢園さんが管理して良い状態を保ってくれています。コロナ前は「風の道」で子供たちが森探検をするワークショップを野沢園さんと行っていました。地域の人たちにも喜ばれている場所になっていると思います。

ビル内に設置されているグリーンも
オフィスワーカーに好評

ビル内にあるグリーンも野沢園さんの管理で設置してもらっています。ビルの無機質になりがちな空間に所々緑があることで気持ちが安らぎます。特に人気なのはパティオと呼ばれる中庭空間。シンボルツリーとなるシマトネリコがのびやかでほっとする場所です。ここでランチや休憩をしているオフィスワーカーは多いですね。また、大崎駅側から来るとフットサルコートの「ThinkPark Arena」があるのですが、その周囲は冬になると樹木にイルミネーションがつけられてとても華やかな雰囲気になります。「風の道」は空気が違うので歩くとリフレッシュできて、ちょっと落ち着きたいときなど緑に囲まれていると癒されます。それぞれ場所によって雰囲気が違う植栽を味わうことができるのも良いところですね。

野沢園さんとは一緒に植栽を
育てているという感覚が持てる

「ThinkPark Forest」は「生物多様性につながる企業のみどり100選」にも選ばれ、多くの種類の樹木や植物を植えましたが、年月が経つにつれ淘汰されてしまった植物も多くあります。東京の環境に合わなかったのか、元気がなくなってしまう植物もあるのですが、野沢園の樹木医斎藤さんがその状態をチェックしてくれます。どうして枯れてしまうのか?など、質問にもわかりやすく答えてくれるので納得感があります。きちんとした植物の知識があるというのはとてもありがたくて、納得しながら一緒に植栽を育てているという感覚が持てるのはとても良いなと思います。

植物や樹木の管理はバランス感が大事

植物や樹木が枯れていたり形が崩れてきたりすると、すぐに伐採して取り替えればよいと考えてしまうのですが、野沢園さんに相談するとその状態を見て、まだ生きているのでもう少し様子を見ましょうと言われたことがありました。その時に植物は生き物だからむやみに刈り取ったりしないという感覚が新鮮で、植物を大切にしているプロの意見だなと思いました。もちろん枯れて折れてしまったり、荒れてしまわないようにきちんと管理はしてくれていて、そのバランス感が大事だなと思います。最近は台風も多いので樹木が折れたり傾いたりしないか心配ですが、その時は事前にきちんとロープで固定してくれるので安心感もあります。

ご提案のポイント

竣工当初からビル内外の広い範囲を管理させていただいています。ビルの周りにこれだけの緑地帯がある場所はなかなかないと思います。自然に育った森のように見えますがきれいに保ち続けるのは管理がとても重要です。野沢園ではこの森を快適に過ごしていただけるよう週1~2で管理しています。今後も足りない場所には新しい植物を足していくなどし、この素晴らしい森の景観と生態系を守っていけるように努めていきたいと思っています。

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