研修・イベント

庭園見学研修

12月に庭園見学を行ないましたので、ご紹介いたします。

 

 

2015年12月に神奈川県横浜市本牧にある三溪園にて庭園見学研修を行ってきました。

造園に携っていながら普段の仕事では日本庭園に触れる機会が少ないので、社員それぞれが見聞を広めそれを仕事に活かす為にこのような機会が設けられました。

 

三渓園は実業家の原三溪によって1906年に公開され、175,000m2に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的価値の高い建造物が配置されています。(現在、重要文化財10棟・横浜市指定有形文化財3棟)

前田青邨、横山大観、下村観山など近代日本画を代表する作品が園内で生まれるなど、三渓園は学術・芸術・観賞上優れていることから、2007年には 国の名勝に指定され現在に至ります。

 

入口には桂離宮などで有名な桂垣が見られ、外界との空間の仕切りとなっています。

中へ足を踏み入れると大池、奥の小山には京都から移築された三重塔があり、三渓園を代表する景観が広がっています。

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大池と三重塔

 

2月上旬は「紅葉の古建築公開」ということで普段は公開されていない聴秋閣と横笛庵の内部を見ることができました。

ここにある建造物は文化財や公開用に整備されているので、移築されず元々の寺院などにあったままでは恐らく荒廃していたと思われるので、貴重な建造物の保護にもつながっています。

広大な園内は建造物もさることながら植物も庭園も見応え十分で、特にモミジやイチョウなどの紅葉はとても風情があり素晴らしい景色でした。

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聴秋閣

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 紅葉

 

日本庭園は自然の風景を手本に造形し、曲線による造形と左右非対称という特徴が挙げられますが、明治以降に作られたこの三渓園は、時代の流れか西洋庭園の要素が加わり、移築建造物周りの飛石や園内各所に見られる灯篭に不自然さが目立つ所も見られました。

移築建造物の設置がメインと考えられ、庭園の細かい部分は後から付け足し、復旧を重ねた結果ではないかと思います。

 

今回、12月初旬は紅葉時期の終盤という事もあって、カメラを手に訪れている人が多く見られました。

本牧地域は工場や住宅地と近く、その中で広大な森の中にある庭園という事もあり、外界とは隔たれた静かな空間という印象がありました。

異国情緒あふれる横浜に古都の風情が楽しめる雰囲気はきっと公開当初から変わっていないのだろうと思われます。

紅葉の時期以外にも、春はサクラ、夏は蓮、冬は水仙と一年中植物を楽しめるようなので、特にウメ、サクラの時期にもう一度足を運んでみたいと思います。

 

社員U

 

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