植物

みどりを観るシリーズ・どんぐりを食べてみる

どんぐりをフライパンで炒める

野沢園の樹木医が気になった植物を観察したり、調べたりしてみる【みどりを観る】

今回のテーマは前回の続き、採集した「どんぐりを食べてみる」です。

どんぐりをフライパンを使って調理してみます。

まず最初に集めたどんぐりを水に沈め、浮いてきたどんぐりを弾きます。

ここでスダジイは残念ながら脱落です。

どんぐり水につける

次にフライパンで加熱します。

弾けたドングリが手や顔に当たってケガをしないように蓋をして、ときどき様子を見ながら加熱します。出来上がりです。どんぐり

殻むきの様子

どんぐりからむき

殻がむけました!

どんぐりの皮むき

せっかくなので社員達に食べ比べをしてもらいました。結果は以下の通りでした。

マテバシイ〇 コナラ× シラカシ× クヌギ× (美味しい○、美味しくない×)

【感想】

マテバシイ ・栗のような甘さを感じた

・ディズニーランドのハニーポップコーンみたい!

・おいしかった!!

コナラ ・とても硬い

・ほとんど無味だが、後から苦い味がした

・舌がビリビリした

シラカシ ・少し酸味があり、とても苦い味がした。

・舌がビリビリした。

クヌギ ・食感はねっとりしていた。

・最初は無味だが、後味が渋い。

・味がしない栗のようだった。

弊社ではマテバシイが抜群の人気でした。今回のどんぐりの中で、唯一甘さを感じた事が人気の要因でした。

ではなぜマテバシイが美味しく、シラカシは苦いとの感想が出たのでしょうか?

その理由はどんぐりに含まれる「タンニン」によるものです。タンニンはお茶や赤ワインなどにも含まれる「渋み」のもとになっているポリフェノールです。

どんぐりの中でも「スダジイ」や「マテバシイ」のどんぐりにはタンニンが少なく、それに対し「クヌギ」「コナラ」「シラカシ」のどんぐりにはタンニンが多く含まれています。とくに東北地方で多く見ることのできる「ミズナラ」はタンニンを多く含んでいます。

タンニンは消化阻害作用を引き起こすため、どんぐりが好物といわれるリスやハムスターに与えるのはあまり好ましくないといわれています(野生のネズミは「馴化」によりダメージを克服しているようです)。

どんぐりの調理は紙袋に入れて電子レンジで加熱するとより簡単にできます。

興味のある方はスダジイやマテバシイ等、タンニンの少ない「おいしい椎の木」のどんぐりを試してみてはいかがでしょうか。

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