造園
造園社員の植物ノート ・ツバキとサザンカ
野沢園ブログへの訪問、ありがとうございます。
あっという間に2月になり少しずつ春の気配がするこの頃ですが、まだまだ寒さは残っています。
今回はそんな厳しい季節でも、見かけると気持ちを明るくしてくれる2つの植物をご紹介します。
それは「ツバキ」と「サザンカ」です!
どちらも寒い季節に開花しますが、「ツバキ」と「サザンカ」の違いは分かりますか?
一般的とされている見分け方のポイントは、以下です。
- 花 → 花の形、花の散り方
- 果実 → 大きさ、毛の有無
- 葉 → 大きさ、毛の有無、鋸歯(縁のギザギザ)の大小
このうち花と葉について、実際に観察して検証したいと思います!
花の違い
まずは花ですが、ツバキは筒状でサザンカは比較的平たく花弁が開いた形をしているそうです。
では以下の写真で見比べてみましょう!どちらがツバキでどちらがサザンカでしょうか?
写真①
写真②
正解は、写真①→ツバキ、写真②→サザンカ でした!
花の中央部に着目するとツバキには影があって奥行きがあり、サザンカは中心から外側に花弁が広がっていて花全体で光を受けている感じがしました。
ちなみに花の散り方については、ツバキは花が付け根から丸ごとそのまま落ちますが、サザンカは花弁が一枚ずつ落ちるそうです。
▼ツバキ
写真を見ると、確かにその通りの花の散り方をしていますね!
葉の違い
続いて葉の違いです。
- ツバキの鋸歯(葉の縁のギザギザ)は少なく、サイズは比較的大きくて無毛。
- サザンカの鋸歯は大きく葉のサイズは比較的小さくて葉脈と葉の付け根が有毛。
だそうです。では以下の写真で見比べてみましょう!
写真の左がツバキ、右がサザンカになります。
確かにツバキよりもサザンカの方が鋸歯は大きく、ギザギザしていますね!
この写真だと毛の有無については分かりづらかったので、方法を変えてそれぞれの葉を縦半分に少しだけ折り、裏側の葉脈が山折りになるようにして撮影してみました。
写真1枚目がツバキ、2枚目がサザンカになります。
確かにサザンカの葉には短い毛があり、触ると少しザラザラしていました。
今回のブログ記事を書くにあたり花を下から見たり地面にしゃがみこんだりしたのですが、童心に帰った気持ちで観察する事ができとても楽しかったです。
身近な植物で似ているものがあれば、皆さんも五感を総動員してぜひ比較してみてください!
参考文献/桐野秋豊 箱田直紀 日本放送出版協会 「NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 ツバキ、サザンカ」 P109